箱庭的小宇宙

燃え尽き症候群というわけではないけれど(ちょこっと仕事をしていて忙しかった)、前回のカーディガン完成からこれというものを作ってなくってUPするネタがありません。ははは。
このままではいけないと思い、手芸ネタではないのだけど更新。


たびたびこのブログにも書いてるけど、実はバービー人形が好き。
最近は自粛してるのでそんなに増えてないけど、20人くらいがクローゼットで眠っている。
好きなのはVINTAGE期といわれるバービー誕生から60年代のもの。
きっかけは今をさかのぼることX年。時はDCブランド全盛の80年代。バービー好きを公言しているデザイナー中野裕通が自身のブランドの服を着せたバービーをデザインした。人形の顔はVINTAGEを模したもの。当時もうお人形遊びをするような年齢ではなかったけどすごく欲しくってお年玉を握りしめて買いにいった覚えがある。(お年玉はもらえる年齢でした。)特にこのブランドが好きだったという訳でもなかったんだけど、普通におもちゃ売り場で売っているにっこり笑った少女漫画みたいな顔とはぜんぜん違うバービーの顔と、人形サイズになった洋服が人間サイズのものよりずっとかわいく思えたのが惹かれた理由だと思う。


その後しばらくたってVINTAGEのレプリカが発売されるようになってから再燃して、最初はレプリカで満足してたんだけど、そのうちオークションにはまってからは本当のVINTAGEを手に入れたり古い洋服を買ったりとけっこう入れ込んでたなあ。

右から中野裕通バービー、顔が脂ぎってるVintageの#5、現代もののファッションモデルバービー「fashion editor」
(今こうしてみると中野裕通バービーはなんか当時の中山美穂っぽいなあ。ビーバップハイスクールってかんじ・笑)


しかもその上バービーだけに飽き足らず、昔からひそかに憧れてたMdvanii(ミドヴァニィ)という一点もののドールにまで手を出してしまった。これはモードに精通しバービー研究家でもありアクセサリーデザイナーでもあるアーティスト、BILLYBOY氏が作っているファッションドールで顔はすべて手描き、洋服はオートクチュールの技巧をこらし、髪の毛はアレクサンドルパリに作らせた人毛のウィッグをつけている。すべてにおいてスペシャルな人形なのだ。


写真はMdvaniiのモッズな妹、Edie(イーディー)。BILLYBOY氏とも親交のあったアンディ・ウォーホールのミューズ、イージィー・セジウィックからインスパイアされて作られたんだって。
モンドリアンルックのミニドレス、いかしたブーツを身につけてます。そして着せ替えのドレスも超クール。でもすごくフィットしたドレスなので破けそうでこわくて着せ替えしたことはないですが。


色々と手に入れるうちにわかったんだけど実はドールの洋服や小物にぐっとくることが多い。ボディにぴったりの精巧に作られたジャケットやワンピース、豆粒くらいのコンパクトやキーホルダーとかを見るとどきどきする。


そう、ミニチュアが好きなのだ。
実際食玩とかもつい買ってしまうし、いつか盆栽をやってみたいとひそかに思ってるし、スノードームのコレクションは生涯の趣味と決めている。


ミニチュアの何に惹かれるのかといわれると、もちろんその緻密なものに感嘆するっていうこともあるけど、それだけじゃない気がする。
現実にあるものがミニチュアになったときの不思議なスケール感なのかなあ。
実際にあるものをミニチュアにするときにはデフォルメが必ず入る。そのものの特徴を小さな面積で分かりやすくするためには省略と強調が欠かせない。エッセンスを抜き出す作業というか。
それがうまくいったとき、現実とは違う美しさがうまれるんじゃないのかなー。


そういえばかれこれ10年以上も前、マルタンマルジェラがドールサイズの洋服のスケールをそのまんま人間サイズにするというコンセプチュアルなデザインを発表したことがあった。ボタンがすごく大きかったりステッチの目がすごく粗かったりするその服は不思議なバランスがとっても面白かった。いまでもくっきり覚えていて、いまでも欲しい。あーなんで買わなかったんだろう。(高かったから買えなかったんだけどね…)


話がちとそれたけど、完成された小さきものには大げさにいえばそこに別の世界が広がってるんだよね。盆栽とかもまさにそうだし、スノードームに惹かれるのも、小さいガラス(プラスチックのほうが多いか。)の中にひとつの世界がとじこめられてるかんじがするからなんだと思う。


自分がつくるものはミニチュアってわけじゃないけど、一個の作品でも世界観が感じられるものをつくりたいなあと、ツネヅネおもっております。(むりやりまとめ)



GWに行った日光にて。道ばたの雑草があんまりかわいくて。すごくふっかふかの苔です。月並みな表現だけどまるでベルベットのようだった!