作り目あれこれ


編んでみようと思っているのがこれ。
philder no435 layetteより 
丸首のシンプルなカーディガン。スワッチを編んでみたらゲージも大体あってるし、いいかも。


スワッチはやったことのないゴム編みの作り目(直接針に作る方法)とゴム編み止めを練習してみました。
どっちもめんどくさかった。(特にゴム編み止め)
わけわかんなくなってこんな小さなスワッチでさえ投げ出したくなった。
そして、より美しい出来をめざしてチャレンジしたはずが仕上がりもいまいち…。
うーむ。
本番はどうしよう。


編み物パターンはたいてい、「x目作り目する。うんぬん…」という感じで始まるけど、
私みたいな初心者はまずその作り目で悩んでしまう。
基礎本にはだいたい


1・指でかける作り目
2・別鎖からの作り目
3・棒針にかぎ針で編みつける作り目


が出ているけどどれにしたらいいのか判断する経験値がない。
裾やそで口のゴム編みとかを後で別鎖をほどいて編むなら2なんだろうけどそもそも後から編む意味がわからない。
下から続けて編むよりいいことがあるのかしら。
なるべく面倒はさけたいので1か3を選びたいところだけど
1は簡単なんだけど意外と目を適正に揃えるのって難しい。きつく締めすぎるとつれるし、
緩めると揃わないし…。
それなら3?
でも洋書をみてるとcable cast onだのって他にも方法があるっぽいし。


仕上がりが美しく見えてなおかつ簡単な(大事!)作り目ってどれなのよ?


ってことで色々試してみることにしました。
「下から続けて編む」方式でやりたいので、
・指でかける作り目
・棒針にかぎ針で編みつける作り目
・cable cast on
の3種類。
作り目をして2目ゴム編みを続けて編んでみます。


うちにある中で一番どうでもいい毛糸、ダイソーのザ・毛糸(極太)を使って12号針で編んでみました。
それにしてもこの糸、すごいぎしぎしします。粉じんのようなものも出ます。

上からcable、指で、棒針にかぎ針の順で並んでます。
こうやってみると一目瞭然だー
指で、は目が揃ってません。ゆるいとこときついとこが混じってます。
棒針にかぎ針、すごくゆるゆるになってしまいました。あ、もしかして何号かサイズを落としてやらなきゃいけなかったのかも。
cableは思った以上にきれいにできるので驚いた。簡単だし。薄く出来て作り目の存在感がなくていいです。
下手なゴム編みの作り目をするくらいならこれでやった方がいいな。


ところで、このcable cast onって主にアメリカでしか使われない作り目なんですかね?
パターンブックのテクニックの項でcable…が出ているのはアメリカの本だけのような気がする。


フランスのphilderは日本と同じく「指で」と「別鎖」。
「last minute knitted gifts」(米)にはcableだけ。
「wrap style」(米)にはbackward loop、cable、crochet chain(鎖編み)、invisible provisional(別糸にbackward loopを巻き付ける?)、long-tail (continental)(指でかける)と4種類。
「baby knits for bigginers」Debbie Bliss(米版)にはthumb cast on (英国風)(指でかけるの変型?)、cable、の2種類。


ざっと見ただけでもいろんな作り目があるんですねえ。「指でかける」がコンチネンタルってことはヨーロッパ大陸が発祥なんでしょうか。とすると日本の編み物はヨーロッパから輸入されたのかな。
ちなみに私の持っている日本の基礎本にはアラン諸島アイスランドの作り目なんてのが出てますが「指でかける」の変型です。ヨーロッパ方面では「指でかける」が優勢のようす?
でもR&Jジャパンには「rowanでは一般的に作り目はcable cast onです」となってたけど。


今までパターン解読で精一杯でテクニックの項は読んだことなかったけれど、じっくりみてみると結構面白いもんだなあ。
cable cast onはきつくしっかりとした土台になるけど伸びもありうすくできるので便利、あとから縁を拾って編むのもかんたん、とか、
thumb cast on(英国風)は手のきつい編み手には特に向いていて多少の伸びもあり自然に丸まるメリヤスの縁には最適、とか。(デビーブリスさんはさすが英国人なだけあってこの記述には力が入ってます)
私みたいな初心者にはこういう解説こそが必要だわ。テクニック集じゃなくてふつうのパターンブックにこういうのがあるとありがたいね。


…なんだか長々としてしまいましたが、私はcable cast on、気に入りました。
これからは作り目に悩まなくてよさそう。


あと余談ですが、「cast on」ってなんかやる気に満ちた感じのひびきがしませんか?
さあ、やるぞ!って感じ。